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介護保険制度のサービスを利用するには
介護保険サービスを利用するためには、要支援・要介護認定を受けなければなりません。ここでは、その申請から認定までの流れについて説明いたします。
- 1.住所地の市区町村へ要介護認定の申請を行う
- お住まいの市区町村役場、地域包括支援センター、在宅介護支援センターに被保険者またはその家族の方が「介護保険サービスを受けたいので、介護認定(判定)してください」と申請書を提出(年齢によって介護保険証を添付)します。
※指定居宅介護支援事業所(有料老人ホームなど)、地域包括支援センター、介護保険施設によって代理申請することも可能です。 - 2.訪問による認定調査
- 介護サービスを受けようとする者の家庭に市区町村役場の職員(または、調査委託した居宅介護支援事業所等に所属するケアマネジャー)が訪問し、心身の状態や介護の必要性などについて聞き取り調査を行います(判定の公正を期すため)調査結果をコンピュータ入力・処理します。
- 3.主治医の意見書
- 市区町村が主治医に対して、「傷病に関する意見」「過去14日間の特別な医療」「心身の状態に関する意見」「介護に関する意見」「特記事項」の5項目から成り、心身の状態や病状などについての医学的な見地によって書かれた書面(意見書)の提出を求めます。
- 4.一次判定
- 訪問調査による調査結果のコンピュータ処理によって、以下の5分野毎に「この人にはどれくらいの時間の介護サービスが必要か?」ということを判断基準にした一次判定がなされます。
(1) 直接生活介助~入浴、排せつ、食事等の介護
(2) 間接生活介助~洗濯、掃除等の家事援助等
(3) 問題行動関連介助~徘徊(はいかい)に対する探索、不潔な行為に対する後始末等
(4) 機能訓練関連行為~歩行訓練、日常生活訓練等の機能訓練
(5) 医療関連行為~点滴の管理、褥創(じょくそう)の処置等の診療の補助等
この5分野での必要な要介護認定等基準時間を合計した分数によって介護度が決定します。
①要支援~5分野を合計した要介護認定等基準時間が30分未満であって
・要介護認定等基準等時間が25分以上 または
・ 間接生活介助、機能訓練関連行為の2分野の要介護認定等
基準時間の合計が10分以上
②要介護1~5分野を合計した要介護認定等基準時間が30分以上50分未満
③要介護2~5分野を合計した要介護認定等基準時間が50分以上70分未満
④要介護3~5分野を合計した要介護認定等基準時間が70分以上90分未満
⑤要介護4~5分野を合計した要介護認定等基準時間が90分以上110分未満
⑥要介護5~5分野を合計した要介護認定等基準時間が110分以上
なお、厚生労働省からは正式な判定プログラムが公開されておらず、ロジックのみが公開されているため、フリーソフトやインターネット上のサイトで一次判定を行うことが出来ます。 - 5.介護認定調査会による認定(二次判定)
- 保健や医療、福祉の各分野の専門家で構成された「介護認定審査会」で、コンピューターによる一次判定、訪問調査員の特記事項(一次判定の際にコンピュータ判定に盛り込めないもの)、主治医の意見書に基づいて要介護認定について、最終決定を行います。コンピュータによる一次判定が実情に即していない部分を有していることから、一次判定結果を参考程度にしかとらえていない自治体もあります。
- 6.要介護認定の結果通知
- 原則として、申請から30日以内に「認定結果通知書」という名称で本人宛に文書にて要介護認定判定結果が送付されます。もし、この認定結果に不服がある場合は、結果通知後60日以内に、都道府県の「介護保険審査会」に不服申し立てをすることができます。
- 7.介護サービスの利用開始
- 結果にて「要支援」「要介護」認定を受けた場合は介護保険サービスの利用がスタート出来ます(※)。ただし、認定された要介護度によって利用出来るサービスの種類や時間が決められています。
※正確には認定申請を出した段階で利用することができますが、この場合、一旦全額自己負担となることや、判定結果による要介護度毎に決められたサービスを超えて利用した部分は全額自己負担となります。
【自立判定】
介護保険サービスの利用は出来ませんが、地域包括支援センターにて、転倒予防教室や配食サービス、栄養指導といった地域支援事業の利用が出来ます。
【要支援判定】
地域包括支援センターの保健師さんなどに、介護予防プランを作成してもらい、予防給付サービスを受けることが出来ます。なお、要支援判定の場合は施設サービスを利用することは出来ません。
【要介護認定】
介護支援専門員(通称「ケアマネージャー」とか「ケアマネ」と呼ばれています)にケアプランを作成してもらい、介護サービスを受けることが出来ます。 - 8.要介護認定の見直し
- 要介護認定結果の標準有効期間は次の通りとなっています。
(1) 新規申請および区分変更申請の場合 ~申請日から6ヶ月間
(2) 更新申請の場合 ~ 前回の有効期間の満了日の翌日から12ヶ月間
※有効期間の満了日はいずれの申請においても月末日になります。
なお、二次判定時に、被保険者の状態が安定しないと認められる場合は、短期(3ヶ月~)、更新申請において被保険者の状態が安定している場合には、最長24ヶ月の認定有効期間を指定することができます。
但し、被保険者は、認定有効期間内であっても、区分変更を行う事となった理由を申請書に記載して提出することによって、随時区分変更申請を行う事ができます。